
訪問看護に興味はあるけど、実際どんな仕事なん?



病棟とは全然違うって聞くけど、想像がつかへん…
私も病棟で働いていた頃は、訪問看護といえば
「点滴とか褥瘡ケアする仕事かな?」くらいのイメージしかありませんでした。
でも実際に転職してみると、病棟とは全く違う世界!これアリなんですか?それそんな風に使うんですか!など見事に病とのギャップにびっくりびっくり。
やりがいも大きい一方で、予想外に大変な部分もあります。
この記事では、訪問看護師が実際に行っている仕事内容を、リアルな体験談を交えて詳しく紹介していきます!
※あくまでうちの働いているステーションのやり方です。全てのステーションが同じ業務内容や方法では無いのでご了承ください。



転職を考えているあなたを、ちょっとだけ在宅の世界に連れて行くで〜✨️
- 訪問看護師と病棟看護師の違い
- 訪問看護師が行う具体的な仕事内容
- 常勤・時短パートそれぞれの1日のスケジュール例
- お田中の働いている訪問看護ステーションの具体的な仕事内容
- 訪問看護師の大変な部分と楽しい部分
- 訪問看護師として働くために必要なスキルや適性
訪問看護師とは?病棟看護師との違い
訪問看護師は、利用者さんのお宅に訪問して看護を提供する仕事です。
利用者さんは、退院直後で医療処置が必要な方から、慢性疾患を抱える方、終末期の方までさまざま。
病棟との大きな違い
病棟看護師 | 訪問看護師 |
---|---|
患者さんが病院に来てくれる | 看護師が利用者さん宅へ行く |
医師がすぐ近くにいる | 医師は基本不在、看護師が判断する場面が多い |
チームで動く | 基本1人で訪問、判断・対応も自分で行う |
医療中心のケア | 医療+生活全体への関わり |



訪問看護は「医療と生活の橋渡し役」。
病棟では見えなかった、その人らしい暮らしを支えることが大きな役割やと感じてるよー💪✨️
訪問看護師の具体的な仕事内容
訪問看護では、利用者さんの状態や目的に合わせて、幅広いケアを行います。
ケアの種類 | 具体例 |
---|---|
医療処置 | 点滴、吸引、褥瘡ケア、ストマ管理、カテーテル管理、人工呼吸器管理、在宅酸素 |
バイタルチェック | 血圧、脈拍、SpO2など |
服薬管理 | 飲み忘れ確認、残薬チェック、内服カレンダー作成 |
身体介護 | 清拭、入浴介助、排泄ケア(摘便・浣腸)、体位交換 |
リハビリ | 関節可動域訓練、歩行練習、ADL訓練、認知機能低下予防 |
終末期ケア | 痛みのコントロール、苦痛緩和、看取り |
家族支援 | 介護方法の指導、メンタルケア、制度案内 |
生活支援 | 生活指導、栄養指導、転倒予防、住宅改修の相談 |



様々な工夫が必要になってくるから、応用力がめっちゃつくで!
点滴
点滴は往診医の指示で行います。点滴本体・ルート類・留置針(翼状針)・アルコール綿花は往診先からもらえます。
さて、点滴はどこにぶら下げるか。そうです、ハンガーやフックです。柱・ドア・なぜか刺さっているクギなど活用できる場所はどこでも活用します。(安定性を確認してね)
動き回ってしまう利用者さんは、ステーションから点滴棒を持参します。
1人での訪問なので、何がなんでも留置成功させます。プレッシャー半端ないです。
悲しいことに訪問時間内に留置できず、今まで何度か刺し直しに再訪問したことがあります。
翼状針しかもらえない往診医もあるため、ステーションから持ち出しするか、翼状針でいけそうな場合は頑張る。
吸引
在宅はポータブルの吸引器を使用します。24時間持続吸引している方や、ターミナルなどで自己排痰が難しい場合は、ステーションから持参することもあります。
基本的に吸引チューブは1回では破棄しません。転職当時は考えられなかったですが、コストに厳しい在宅では当たり前。汚染がひどい・噛んだりして変形してきたなどの理由を必ず本人や家族に説明し、新しいものを出します。
自分で吸引可能な方や、看護師より吸引が上手な家族もいます。
褥瘡ケア
やることは病院と同じです。洗浄→軟膏塗布→ガーゼ保護。ハイドロサイトなどのフィルム類は基本使用しません。だってモノが無いから。処置物品は往診先にもらいますが、基本軟膏+ガーゼです。病院でフィルム剤を使用していても、退院して往診が入ったあとに指示が変更になります。
洗浄時のパットもたくさん使うと利用者さんの負担が増えます。褥瘡洗浄→陰部洗浄など使い回せる場合は頑張ります。固形石鹸がなければ、ビニールに入れて振って泡石鹸を作ります。
病院のように夜勤者の巡視があるわけではないため、もしガーゼから浸出液があふれたり、体動でガーゼが外れて褥瘡が露出してしまった場合はオンコールで呼ばれることになります。
D3以上の深い褥瘡には特別訪問看護指示書が発行され、毎日訪問が可能になります。
ストマ管理
本人や家族で管理ができない場合は、便破棄や貼り替えを行います。
褥瘡と同じで、漏れや剥がれがあればオンコールとなるため、緊張感があります。
ただ、病棟の頃より時間に余裕を持って貼り替えが行える環境のため、しっかり洗浄乾燥や貼り付き確認することができています。使用物品や手順が利用者さんごとに違ったり、こだわりが強い方もいるため、利用者さんごとのやり方を覚える必要があります。
カテーテル管理
膀胱留置カテーテルがはいっている利用者さんも多いです。
ここでも清潔概念を覆されることが多く、破棄口は基本ティッシュで拭き取ります。バルン入れ替えの際も、滅菌手袋は無いため、不潔手袋を付けた指先をイソジンで消毒して入れることも。(利用者さんの希望)
バルンの破棄タイミングも家族さん次第のため、よっぽど主治医からの指示がない限り、大体の量でアセスメントすることになります。踏んずけて自己抜去してしまうケースや、尿量測定中でも自分で勝手に尿を破棄するなんてこともあります。
終末期ケア
在宅で最期を希望される方の訪問も行きます。状態によっては特別訪問看護指示書を主治医にもらい、毎日訪問や1日数回訪問も可能。本人も家族も安心して過ごせるように介入します。疼痛コントロールや苦痛の緩和、家族への説明など。ベッド上での洗髪や家族に負担になりにくい介助方法などのアドバイスも行います。
内服管理
訪問看護で多い介入理由の一つです。
もう…転職してからの数カ月間、“なんで飲まないんやろ?”と幾度となく考えました。
理由はさまざまですが、ここは訪問看護の出番です。
内服カレンダーを使用する、そもそもの内服量の調整や一包化、1日1回の内服で済むように主治医に声掛け。
食卓に置いて目につくようなラミネートを作成したり、リハビリ担当者やヘルパーさんと連携したり、ありとあらゆる方法で飲み忘れを無くす介入をします。意外と内服カレンダーの位置を変更するだけで内服につながる場合も…。
主治医も利用者さんのことをよくわかっている場合が多いので、飲み忘れても病院のようにインシデントを書くことはありません。徐々に内服できるようになっていただけると、体調も良くなるし、うれしい限り。
保清
こちらも訪問看護で多い介入理由です。
利用者さんの家にあるもので行うため、清拭は自宅にあるタオルと洗面器で行います。
寝たきりの利用者さんの洗髪を、ゴミ袋とバスタオルとバケツでするやり方を教えてもらったときは、目からウロコでした👀着せやすい浴衣病衣なんてものはないため、どれだけ拘縮があっても家族や本人が希望すれば上下のパジャマを着る手伝いをします。寝たきりの利用者さんを1人で保清するのは大変ですが、ときどき家族さんの協力を得ながら行っています。
排便処置
こちらも本当によくある処置です。病院勤務のときは浣腸を1度に2回、なんなら3回するなんて見たことなかったし、(利用者希望・主治医了承)いいのか?本当にいいのか?とソワソワしました。摘便もめっちゃうまくなります。お腹のマッサージ効果はテキメンですね。
訪問看護師の1日の勤務スケジュール
パターン1:常勤フルタイム勤務(1日6件)
時間 | 内容 |
---|---|
8:30〜9:00 | 出勤、朝礼、情報共有、訪問準備 |
9:00〜9:30 | 1件目へ移動 |
9:30〜12:00 | 午前の訪問3件 |
12:00〜13:00 | 昼休憩(ステーション or 車内) |
13:00〜16:00 | 午後の訪問3件 |
16:00〜17:00 | 記録、FAX送信、主治医・ケアマネへ連絡 |
17:00〜17:30 | 翌日の準備、終礼 |
- 1件あたり30〜60分+移動時間30分未満が基本
- 終末期訪問など長めのケアは午前中に入れることが多い
パターン2:時短パート勤務(午前のみ3件)
時間 | 内容 |
---|---|
9:00〜9:15 | 出勤、朝礼 |
9:15〜11:30 | 午前の訪問2〜3件 |
11:30〜12:00 | 記録、報告 |
12:00 | 勤務終了 |
- 短時間ケア(バイタル、服薬管理、清拭など)が中心
- 午後は家事・育児・副業タイムに使える
- ママナースでも働きやすい勤務形態
パターン3:常勤フルタイムお田中の最近のスケジュール具体例
時間 | 内容 |
---|---|
9:20〜9:30 | 1件目へ自宅から直行 |
9:30〜10:30 | 1件目訪問 呼吸器装着や吸引、マッサージなど |
10:30〜11:00 | 2件目へ移動 |
11:00〜11:30 | 2件目訪問 内服カレンダーセット、体調確認 |
11:30〜12:00 | 事務所で午前の記録やケアマネへFAXなど |
13:00〜13:30 | 3件目訪問 体調確認、オムツ交換、バルン管理 |
14:00〜15:00 | 4件目訪問 入浴介助、内服確認 |
15:00〜15:30 | 事務所で記録 家族へ電話 |
16:00〜16:30 | 5件目の訪問 グループホームへ1人〜3人訪問 内服セットや体調確認など |
17:00〜17:30 | 事務所で記録して、退勤 |



よく見るとめっちゃ分刻みやな(笑)
今転職6ヶ月目やけど、どうにか回せてるで〜✨️次の訪問先に早めについたらタブレットで記録出来るの助かる!
1人の車内で次の訪問のシュミレーションを大きな声で独り言言ったり、気分転換に歌う🎤お願いやからドライブレコーダーは見ないで欲しい😇
訪問看護師の大変なところ
訪問看護はやりがいが大きい一方で、しんどい部分もあります。
1. 一人で判断しなければならない場面が多い
- 利用者さん宅には看護師しかいない
- 緊急時は自分の判断力が試される
2. 夏は暑く、冬は寒い…移動がつらい
- 真夏は車内がサウナ状態、自転車が一番大変そうなイメージ
- 冬は末端冷え性には地獄(カイロ・ヒートテックなどが必須!)
3. 緊急対応・オンコールが大変
- 夜間や休日に呼び出しがある
- 精神的な負担が大きい
4. 記録・報告業務が地味に多い
- FAX、電話、月末の報告書作成
- 病棟とは違う書類文化に最初は戸惑う
訪問看護師の楽しいところ・やりがい
大変さ以上に、訪問看護ならではの魅力があります。
1. 利用者さん・家族とじっくり関われる
- 「〇〇さん、待ってたよ!」と言われる喜び
- 生活背景まで理解した上で看護できる
2. 車移動が自分だけの時間
- 車内で音楽を爆音で流して熱唱できる(笑)
- コーヒー片手に一人ドライブ感覚
3. 生活全体をサポートできる達成感
- 「この手すりのおかげで転けなくなった!」などの声が直接聞ける
- 多職種と連携することで、幅広いサービスの提案や困りごとを解消出来る
4. ママナースでも柔軟に働ける
- 午前だけ勤務、週3日勤務など調整可能
- 子どもの行事にも参加しやすい
訪問看護師の役割
訪問看護師は単に医療処置をするだけでなく、多職種連携のつなぎ役としての役割も担います。
- 主治医への報告・相談
→ FAXや電話で状態を共有 - ケアマネジャーとの連携
→ 介護保険サービスと医療をつなぐ - リハビリスタッフやヘルパーとの協力
→ チームで利用者さんを支える
訪問看護師に向いている人
- 一人で判断するのが苦手じゃない人
- コミュニケーションが好きな人
- 柔軟な働き方を求めている人
- 「その人らしい生活」を大切にしたい人


まとめ🌱利用者さんの暮らしを支えるやりがいある仕事です
訪問看護師の仕事は、病棟看護とは大きく違います。
一人で訪問する分、判断力や責任も求められますが、
利用者さんと深く関わり、暮らしを支えるやりがいの大きい仕事です。
常勤でがっつり働くことも、ママナースとして時短勤務することも可能なので、
自分のライフスタイルに合わせて働き方を選べます。
訪問看護師の働き方が気になったらこちらも見てみてね👇️


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